中性浮力で手ブレを防ぐ撮影姿勢の作り方|水中撮影|Step7

中性浮力とは、水中で沈みも浮きもしない状態を保つダイビングの基礎スキルです。水中写真を撮るときは、手だけでカメラを止めようとしても、体が揺れるとピントや構図も崩れます。この記事では、手ブレを減らすために、撮影前に体を止める方法や呼吸、砂を巻き上げない近づき方を解説します。
陸上なら足を止めてカメラを構えられますが、水中では体が常に少し動いています。呼吸で浮き沈みし、流れやうねりの影響も受けます。そのため、水中写真ではカメラの設定だけでなく、中性浮力を整えて体を安定させることが写真の手ブレ防止につながります。

インドネシア/TG-6にて撮影
1.まずは止まる
手ブレを防ぐ最初のポイントは、一度止まることです。泳ぎながら、または体が流されている状態でシャッターを切ると、どうしても写真が不安定になります。
水中では、被写体を見つけるとすぐ近づいて撮りたくなります。ただ、カメラを構える前に一度止まり、体がどの方向に動いているかを確認するだけで、写真はかなり変わります。TGカメラはすぐ撮れるカメラですが、撮る前の一呼吸が手ブレ防止には有効です。
止まるときは、フィンで強く蹴るのではなく、少し手前で速度を落とします。余裕を持って止まり、中性浮力でその場に浮く感覚を作ると、構図もピントも合わせやすくなります。

2.息を整える
水中で体を安定させるには、息を整えることが欠かせません。ダイビング中は呼吸によって体が上下するため、焦って息が乱れるとカメラも一緒に動きやすくなります。
撮影前、まず最初に呼吸をゆっくり整えます。吸うと体が少し浮き、吐くと少し沈む感覚を確認すると、自分の動きが分かりやすくなります。そのうえで、体が大きく上下しないタイミングを見てシャッターを切ると、ブレを抑えやすくなります。
もちろん、息を止めて撮る必要はありません。無理に呼吸を止めると酸欠にも繋がるため、安全面でもよくありません。大切なのは、呼吸を浅く止めることではなく、自身にとって落ち着いたリズムにすることです。カメラを構える前に息が整っているだけで、写真の安定感はかなり変わってきます。

3.ひじを軽く固定する
カメラを構えるときは、ひじを軽く固定すると手ブレを防ぎやすくなります。腕を伸ばしきった状態で撮ると、カメラが揺れやすく、細かなブレが出やすくなります。
TGカメラは小さいため、片手でも撮れそうに感じます。(実際に片手で伸ばして撮影している方も見受けられます)ただ、水中では体もカメラも動くため、可能であれば両手で持ち、ひじを体に近づけると安定します。ひじを軽く締めるだけで、カメラと体がひとつのまとまりになり、シャッターを押す瞬間の揺れを減らせます。

4.砂を巻き上げない
手ブレ対策と同じくらい大切なのが、砂を巻き上げないことです。基本的な事ではありますが、砂や浮遊物が舞うと、写真が白っぽく濁り、ピントも合わせにくくなります。
砂地の被写体を撮るときは、少し手前で止まり、ゆっくり低い姿勢に移ると、周囲を濁らせずに撮影しやすくなります。
マクロ撮影をする場合は、被写体との距離が近くなるため、より砂の巻き上げによる影響が一枚の写真にあらわれます。透明度がよい海でも、自分で砂を巻き上げてしまうと、自分だけでなく同じチームのダイバーにも影響を与えてしまいます。こんな時はフィン先の位置を確認しながら、中性浮力でふわっと止まることで、周囲に配慮しつつ、写真の失敗も減らせます。

5.構図合わせは止まってから
動きながら構図を作ろうとすると、ピントも背景も安定せず、結果的にシャッターのタイミングが難しくなります。
水中では、先に大まかな位置まで近づき、そこで一度止まります。その後で、被写体を中央に置くのか、三分割で少しずらすのか、背景に青を入れるのかを考えると、落ち着いて撮影できます。
TGカメラは構図を変えやすいカメラですが、カメラだけを動かすより、自分の体の向きと距離を整えてから最後に微調整するほうが撮影は安定します。焦ってシャッターを押すより、止まる、息を整える、構図を決める、撮る。この順番を確認すると、水中写真の失敗が減らせるかと思います。

6.まとめ
TGカメラで手ブレを減らすには、カメラの構え方だけでなく、中性浮力で体を安定させることが土台になります。
私自身も、撮る前に一瞬呼吸を整えるようになっただけで、写真の歩留まりが変わたと感じています。
次のダイビングでは、シャッターを押す前に「止まる、息を整える、背景を見る(余裕があれば他の設定も)」をセットにしてみてください!

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