日の丸構図と三分割構図の使い分け|水中撮影|Step6

今回は水中で被写体を画面のどこに置くかを決める基本の型、日の丸構図と三分割構図について紹介します。日の丸構図(主役を中央に置く構図)は分かりやすく、三分割構図(画面を縦横3分割して交点や線上に主役を置く構図)は余白や動きを作りやすくなります。この記事では、水中撮影で迷ったときに使いやすい構図の選び方とポイントを解説します。
水中では、魚が動いたり、体がうねりで揺れたりするため、構図を細かく作り込むのは簡単ではありません。だからこそ、最初は基本の型を知っておくと、迷ったときに「この構図でいこう!」と直感的に撮りやすくなります。
構図は難しく考えすぎると手が止まりますが、”日の丸”と”三分割”だけでも写真はかなり整います。私は陸上の風景撮影でもこれを意識して撮影する事は多々あります。水中でも同じで、初めての場所ではまず基本の構図で一枚押さえることを意識しています。じっくり構図やライティングを考えて一枚の作品に仕上げるのはその後です。

インドネシア/TG-6にて撮影
1.まずは日の丸構図で撮る
構図に迷ったら、最初は日の丸構図で撮るのがおすすめ!日の丸構図は、被写体を画面の中央に置くシンプルな構図です。
水中では、被写体を見つけて近づくだけでも意外と大変です。中性浮力を保ちながら、流れや透明度にも気を配る必要があります。そんな場面で最初から複雑な構図を狙うと、ピントや距離、カメラの設定などで失敗を誘発してしまいます。
TGカメラで生物を撮るときは、まずは中央に置いて確実に写すことを優先します。特にマクロ撮影では、主役が中央にあるだけで見やすく、記録としても分かりやすい写真になります。基本を押さえた一枚を撮ってから、余裕があれば別の構図を試す流れが安心です。

2.三分割の交点に置く
少し写真に変化を出したいときは、三分割構図もおすすめです!画面を縦横それぞれ三分割し、その線が交わるあたりに主役を置く考え方です。交点は4カ所あるので、生物の向きや背景、光の入り方と相談しながら、どこがしっくりくるかを探すことがポイントです。
日の丸構図と違い、被写体を中央から外すことで、写真に余白や流れが生まれます。TGカメラで魚やダイバー、サンゴの一部を撮るときも、三分割の交点を意識すると、写真が自然にまとまりやすくなります。
厳密に交点や三分割のライン合わせることが大事なのではなく、「中央から少しずらす」くらいの感覚で大丈夫です!

3.魚が進む方向に余白をつくる
魚を撮るときは、進む方向に余白を作ると写真が見やすくなります。魚の顔の前がすぐ画面の端で切れていると、窮屈な印象になりやすいです。これは陸上で生き物を撮影したり、人物(ポートレート)撮影を行う際も同様です。
水中では魚が常に動いているため、完璧な位置で止めるのは難しいこともあります。それでも、魚が右を向いているなら右側に少し空間を残す、左を向いているなら左側に余白を作る、この意識だけで写真の印象はかなり変わります。
TGカメラで撮影するときは、被写体を追いかけすぎず、魚が進みそうな方向を先読みします。無理に近づくより、相手の動きを観察して待つほうが、安定してベストショットを狙いやすいです。

4.背景を整理して見やすくする
構図を考えるときは、主役だけでなく背景も整理します。被写体の位置がよくても、背景の方が目立ってしまうと、何を見せたい写真なのか分かりにくくなります。
水中には、岩、サンゴ、砂地、浮遊物、ほかのダイバーなど、画面に入り込む要素が多くあります。TGカメラで小さな被写体を撮るときは、主役の後ろに暗い岩が重なっていないか、サンゴの枝が顔にかぶっていないか、などを確認します。
少し体を横にずらすだけで、背景が海の青になったり、砂地のやわらかい色になったりします。背景が整うと、日の丸構図でも三分割構図でも主役が引き立ちます。構図は被写体の置き場所だけでなく、背景の選び方でも決まります。
シンプルさを優先するか、生き物の環境感を残すために情報量を増やすか、その場面に合わせて、自分でコントロールできるようになると撮影の面白さが一段高まります!

5.迷ったら2つのパターンを試してみる
構図に迷ったときは、日の丸構図と三分割構図の2パターンを撮って比べてみるのがおすすめです!同じ被写体でも、中央に置いた写真と少しずらした写真では、見え方がかなり変わります。
身近な場面では、動きの少ないウミウシやタツノオトシゴの仲間なら、日の丸構図で確実に撮り、その後に三分割で余白を作ってみます。魚の場合は、最初に中央で一枚、次に進む方向へ余白を入れて一枚撮ると、あとで選びやすくなります。
水中では時間や残圧に限りがあるため、何枚も粘るより、基本の2パターンを素早く試すほうが現実的です。TGカメラは構えやすく撮影テンポも作りやすいので、段階的に撮り比べる練習にも向いています。

6.まとめ
日の丸構図と三分割構図は、水中で迷ったときの頼れる基準になります。動く被写体や揺れる体勢の中で複雑な構図を作ろうとすると、主役そのものを外してしまうことがあります。
私なら、まず確実に見せたいときは日の丸、余白や進行方向を入れたいときは三分割を選びます。構図を決めるというより、写真の中で主役をどう見せたいかを決める感覚に近いです。
次の撮影では、今回紹介した2つの構図をぜひ撮り比べてみてください。あとから違いを見返すと、自分が見せたい余白や向きが少しずつ分かってきて、今後のベストショットに繋がるはずです!

シリーズの他の記事
前の記事:背景整理で主役を引き立てる撮り方
次の記事:中性浮力で手ブレを防ぐ撮影姿勢の作り方
水中撮影シリーズの記事一覧を見る








