光の向きと当て方で変わる水中写真|水中撮影|Step4

水中撮影における光の向きとは、太陽光やライト、ストロボをどの方向から被写体に当てるかという考え方です。水中は陸上とは違い、快晴だったとしても水深が深くなるにつれ光が弱くなりやすく、正面から強く当てるだけでは平面的に見えたり、浮遊物が白く写ったりします。この記事では、TGカメラで色や質感を出すために、順光、斜めの光、逆光をどう使い分けるかを解説します。

~補足~
順光=正面から当たる光
斜めの光(サイド光)=横から当たる光
逆光=被写体の後ろから当たる光

水中では、透明度や水深、太陽の位置、ライトの当て方によって、被写体の見え方がかなり変わります。カメラの設定だけでなく、「どこから光が当たっているか」を見ることが、水中写真を安定させる近道です。

私は陸上でも日本各地で朝焼けや夕暮れの風景を撮ってきましたが、風景写真でも水中写真でも、最初に確認しておきたいのは光の向きや当たり方です。光を意識する事で撮り方の選択肢を自身でコントロールできるようになり、より納得感のある一枚を撮ることができるようになります。

TGカメラはコンパクトで構えやすく、ライトやフラッシュと組み合わせた撮影もしやすいカメラです。今回は、順光・サイド光・逆光を中心に、光の向きと当て方の基本をご紹介します。

洞窟の中から見た青い海とダイバーのシルエット

宮古島/TG-6にて撮影

目次

1.順光は色が出やすい

順光は、自分(カメラ)方向から被写体に対して光が当たる状態です。被写体にしっかり光が届くため、色が出やすいのが特徴です。被写体の生物が横を向いていても、自分側から被写体に向かって光が当たっていれば、それは順光です。

特にTGカメラで魚やサンゴ、小さな生き物を撮るときは、順光を確認すると失敗が少なくなります。被写体の顔や模様が見えやすく、写真全体も明るくまとまりやすいです。ライトやストロボの使い始めは、まずは順光で色を出す感覚を掴むと光の扱いに慣れてくると思います。

水中では、太陽光が上から差し込むことが多いため、被写体の向きや自分の位置によって順光に近い状態を作れます。近い被写体ならライトやフラッシュを使って、正面からやさしく光を足すのも有効です。ただし、強く当てすぎると白飛びする(=明るすぎる一枚になる)ことがあるので、少し離してやさしく当てるのがコツです。(光量=明るさ、を調整するのもOKです)

順光で色が出やすくなることを比べた図解

2.逆光は透け感やシルエットが特徴的に

逆光は、自分(カメラ)方向から被写体を見た時に、後ろ側から光が入る状態です。色をはっきり見せるというより、透け感やシルエットを活かした写真に向いています。

水中では、太陽の光が水面から差し込むため、魚やダイバー、サンゴの形を逆光で撮ると印象的な写真になります。被写体の輪郭が浮かび上がり、水中らしい青さや光の筋も表現しやすくなります。

たとえば浅場で小魚の群れを見上げるように撮ると、体がきらっと光ったり、背景の青に影が浮かんだりします。私も神子元で魚群を見上げたとき、水面から差し込む光に群れの輪郭がきらめいて、色よりも光そのものが主役になる瞬間があると感じました。TGカメラでも、無理に色を出そうとせず、形や雰囲気を見せるつもりで撮ると逆光の良さが出ます。

一方で、逆光は被写体の正面が暗くなりやすいです。表情や細部を見せたいときは、ライトを弱く足すか、少し横に回って光の入り方を変えます。水深が深い場所や透明度が低い日ほど、露出や光量の差が大きくなりやすいので、撮ったあとにモニターで確認することも仕上がりを左右します。

逆光で透け感やシルエットが出ることを示した図解

3.サイド光は立体感が出る

サイド光は、自分(カメラ)方向から被写体を見たときに、横から光が当たる状態です。正面からの光より影ができやすく、形や凹凸が分かりやすくなります。

水中マクロでは、サイド光を使うと質感を出しやすくなります。サンゴの表面、ウミウシの模様、エビの透明な体などは、横から光を入れることで立体感が生まれます。TGカメラの顕微鏡モードや近接撮影と組み合わせると、小さな被写体の存在感を出しやすいです。

ただし、サイド光は影も出るため、光が強すぎると不自然に見えることがあります。被写体の片側だけが明るくなりすぎたら、ライトを少し遠ざけるか、角度を浅くします。海の中では体が少し揺れるだけでも光の当たり方が変わるので、中性浮力を保ちながら落ち着いて構えることで、失敗を減らすことができます。

サイド光で立体感が出ることを比べた図解

4.同じ被写体でも光の向きを変えて比べてみる

光の感覚をいち早く掴む方法は、同じ被写体でとにかく撮り比べてみることです。順光、サイド光、逆光の違いを一度に試すと、色・形・雰囲気の変化が見えてきます。どれが正解というより、何をどう見せたいかで選ぶ感覚です。

陸上での撮影とは違い、ダイビング中は残圧を意識する必要があるため、すべての被写体で試す必要はありません。安全停止前の浅場や、流れの弱い場所など、余裕のある場面で練習すると身につきやすいかと思います。

同じ被写体で光の向きを変えて撮り比べる方法の図解

5.まとめ

水中写真では、光の向きひとつで色、質感、立体感が大きく変わります。正面から明るくするだけでは平面的に見えることがあり、少し斜めから入れると被写体の形が見えやすくなります。

私がライトやストロボを使うときは、強さより先に角度を意識する事が多いです。浮遊物が多い日ほど、真正面から当てると白い反射の影響がでるため、角度をつけて被写体に光を当てると、この影響を避けやすいです。

次のダイビングでは、同じ被写体に対して順光、サイド光、逆光の光を、ぜひ意識して比べてみてください。自分で光をコントロールする感覚が掴めると、水中撮影の写真はもう一段立体的になるかと思います!

水中撮影Step4 光の向きと使い方のまとめ図解

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この記事を書いた人

福田 翼|会社員 / フォトグラファー / 出張カメラマン
執筆ジャンル:旅 / 観光 / カメラ / IT
カメラ歴10年以上。20代で全国47都道府県を撮影。出張カメラマンとしても個人・法人・官公庁まで、幅広い撮影実績があります。「旅するフォトグラファー」としても、実際に訪れて現地で撮影した写真をSNS等で紹介しています。

ブログで大切にしているのは、現地で見て・感じて・撮った「本物の情報」です。旅行が趣味の方、カメラが趣味の方にも気軽に読んでいただけるよう、難しい専門用語はできるだけ避け、解説する時は可能な限り分かりやすい表現を心がけています。読んでくださった方が「行ってみたい」「撮ってみたい」と思えるような、旅やカメラの魅力、関連情報をお届けできたら嬉しいです。

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