水中モードを基準にしたTGカメラの設定方法|水中撮影|Step1

水中撮影のカメラ設定とは、水中モード、ホワイトバランス(色味を整える設定)、フラッシュ、明るさなどを海の状態に合わせて選ぶことです。水中では深度を増すごとに光が届きにくく暖色(赤や黄色)から順に色が落ちていき、透明度や水深によって写真が青っぽくなります。この記事では、TGカメラで最初に押さえたい設定を整理し、撮影中に迷わず色や明るさを整える考え方を解説します。
私自身、ホームにしている伊豆の海以外でもいろいろなポイントで撮影してきましたが、設定を細かく追い込むよりも、最初は安定して撮れる基準を持つことが大切だと考えています。TGカメラは以前の記事でも紹介した通り水中撮影に強いカメラなので、基本を押さえれば、難しい操作をしなくても写真の失敗をかなり減らせます。
実際の海では、水中モードやWBオートを基準にして撮り始め、透明度が高い浅場ならまず一枚撮って、青かぶりや浮遊物の写り方を見てからフラッシュやホワイトバランスを調整する、という流れが多いです。設定に気を取られすぎないぶん、被写体や浮力に意識を向けやすくなります。

沖縄県宮古島/TG-6にて撮影
1.迷ったら水中モード
TGカメラで水中撮影を始めるなら、はじめは水中モード(水中スナップモード)を基準にすると扱いやすいです。理由は、水中の光や色の変化に合わせて、カメラ側が撮影しやすい状態に整えてくれるからです。(簡単に撮れるオートモード)
水中では赤や黄色の光が届きにくくなり、少し深く潜るだけで全体が青っぽく見えます。透明度がよい日でも、陸上と同じ感覚で撮ると色が浅くなったり、被写体の存在感が弱くなったりします。水中モードは、そうした水中特有の環境を前提にした設定なので、基準の一枚を安定して撮るための出発点になります。
設定を触ることに集中しすぎると、浮力や被写体との距離が崩れやすくなります。まず基準の一枚を撮り、画面の青さや明るさを確認してから一つだけ調整すると、海の中でも落ち着いて判断できます。
特にダイビング中は、中性浮力を取りながら構図を決める必要があります。エントリー直後や流れがある場所では、設定を何度も変える余裕がないこともあります。そのため、迷ったら水中モードにしておくと、撮影に集中しやすくなります。
TGカメラのダイヤルを水中モードにすると、十字キーの左ボタンを押下することで、5つの水中モード一覧が表示されます。
個人的に多用していたのは、水中ワイド、水中マクロ、水中顕微鏡です。
ワイドは広く写す、水中顕微鏡は特に小さい生物、マクロはワイドと水中顕微鏡の間の生物を撮影する際に使用していました。

2.WBオートを基準にする
ホワイトバランスは、最初から細かく変えすぎず、はじめはWBオートを基準にするのが扱いやすいです。WBオートは、カメラが光の色を判断して自然に近い色へ整える機能です。
水中では、浅場・深場・曇り空・透明度の差で色の出方が変わります。毎回手動で合わせようとすると、かえって不自然な色になることもあります。WBオートで撮ってみて、モニターで色味を確認する流れにすると、失敗が少なくなります。
ホワイトバランスも、変えるのは一度に一つまでと決めておくと迷いません。何をどう変えたら色がどうなったのかが分かりやすく、次のダイビングにも活かしやすくなります。
身近な場面では、水深の浅いサンゴ礁や明るい砂地では、WBオートだけでも十分きれいに写る場面があります。TGカメラは水中で使いやすいカメラですが、最初から自然に見える色を狙うより、「基準を作ってから必要に応じて調整する」ほうが落ち着いて撮れます。

3.青かぶりしたらWB(ホワイトバランス)をかえる
写真全体が青く沈んで見えるときは、ホワイトバランスを変えると改善しやすいです。水中では水深が増すほど赤系の色が失われやすく、肌色や魚の体色、岩肌の色が青や緑に寄って見えることがあります。
WBオート(=ホワイトバランスオート)で撮っても青かぶりが強い場合は、水中向けのホワイトバランスや、状況に合った色補正を試してみます。大切なのは、いきなり大きく変えるのではなく、同じ被写体を数枚撮って比べることです。
具体的には、青い海を背景に魚を撮るときは、青さを残したほうが雰囲気が出る場合もあります。一方で、サンゴやウミウシの色を見せたいときは、少し暖かい色に寄せたほうが被写体の印象がはっきりします。このように写真の目的に合わせてWBを変えると、TGカメラの表現の幅が広がります。ただし、WBだけで色の変化を変えるのには限界があります。生物そのものの色味を完全に戻す(太陽光が当たった色味にする)には、最終的にはライトやストロボが必要になります。

4.近い被写体はフラッシュONも有効
近い被写体を撮るときは、フラッシュONが有効な場面があります。水中では光が届きにくく、近くにいる魚や小さな生き物でも、自然光だけでは色が出にくいことがあります。
TGカメラでマクロ寄りに撮るとき、フラッシュを使うと赤や黄色の色が戻り、被写体の輪郭も見えやすくなります。特に岩陰の生き物や、少し暗い場所にいる被写体では効果を感じやすいです。
ただし、フラッシュは万能ではありません。距離が遠い被写体には光が届きにくく、無理に使っても水中の浮遊物だけが白く写ることがあります。基本は「(かなり)近い被写体に光を足す」と考えると使いやすいです。撮影時はフィンで砂を巻き上げないようにし、中性浮力を保ちながら静かに近づく技術も必要です。もし、カメラ本体のフラッシュで光量が不足していると感じた場合は、光量の強いライトや外部ストロボを検討するタイミングです。

5.反射や浮遊物が気になるときはフラッシュOFFも有効
水中写真で白い点がたくさん写るときは、フラッシュOFFを試す価値があります。これは、水中の浮遊物にフラッシュの光が乱反射してしまうためです。
透明度が低い日や、砂地で人が多いポイントでは、細かな粒子が水中に漂っています。その状態でフラッシュを使うと、被写体より手前の浮遊物が明るく写り、写真全体がざらついた印象になります。私が通う伊豆のビーチポイントでも、ダイバーの潜水ラッシュ時は味噌汁のような巻き上げと多々出会うので、フラッシュOFFへの切り替えに助けられたことが何度もあります。(最近はピーク時のエントリーを回避したり、そもそも人が増えるタイミングでそのポイント自体を選ばない、空いてる日に狙い撃ちする、みたいな事が多いですが…)
反射が気になるときは、フラッシュを切って自然光を活かすと、すっきりした写真になりやすいです。特にワイド気味に海の青さやダイバーのシルエットを撮る場面では、思い切ってフラッシュOFFのほうが雰囲気を残せます。太陽の向きや水面からの光を意識しながら撮ると、TGカメラでも水中らしいダイナミックな光景を撮影できます。
※晴天(少なくとも太陽光が届く)であることが条件になりますので、曇天の場合はフラッシュOFFでもイラストのような写真は狙いにくいです…。

6.まとめ
TGカメラの水中撮影では、水中モードとWBオートを基準にして、青かぶりや明るさを見ながら少しずつ調整すると扱いやすくなります。設定を一度に変えすぎると、何が写真に効いたのか分かりにくくなります。
私が海で設定を見るときは、まず撮影そのものを止めないことを大事にしています。モニターを見続けている間にも体は流れるので、基準の一枚を撮ってから、必要なところだけ変えるほうが水中では安定します。
次に潜るときは、同じ被写体で水中モード、WB、フラッシュの違いを1つだけ比べてみると理解しやすいです。設定は覚えるものというより、海の色に合わせて選べる道具として使うと楽になります。

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